「夢や希望」ということばは、子供に勘違いをさせるので、
私は絶対使わない。
テレビで毎年、各私立高校の宣伝番組をやっているが、
「夢に向かってがんばろう!」的なキャッチコピーがいつも気になる。
教育者がそのような曖昧な表現でいいのか。
「夢に向かって走る」とは、実際どういうことなのか。
私には「破滅に向かってまっしぐら」と聞こえる。
いい加減に、フィーリングで物を言うことは、
特に子供に対しては許されない。
「夢」は、かなわないから「夢」であり、
人生のちょっとしたスパイスであるのであって、
「目的」や「目標」と混同させてはならない。
人生には基本的には「夢」も「希望」もない。
「生きがい」や「目標」は持っていいと思う。
ただし、その「生きがい」や「目標」を見失う時もある。
それでも現実にどっぷり浸かりつつ
両足でしっかりふんばって
何の希望も夢もなくとも、なんとか生きていく。
大切なのは、「夢や希望」ではなく
「平凡な日常」である。
それがわかっていれば、人生は楽しめるし、
普通の日々も輝きの連続だ。
毎日毎日を、大切に、普通に生活できることが
「幸せ」というものではなかろうか。
普通にいられる強さを育むために、
学問があるのだ。
コメントをお書きください